1.カラーパレットの重要性と選定プロセス
カラーパレットはWebデザインにおいて、ブランドイメージやサイト全体の印象を大きく左右する重要な要素です。適切な色の組み合わせを選ぶことで、ユーザーに与える第一印象をコントロールし、コンテンツの内容をよりわかりやすく伝えることができます。ここでは、カラーパレットを選ぶ際に押さえておきたいポイントと、効果的な選定プロセスをステップバイステップで見ていきましょう。
◆ブランドカラーを核にする
企業やサービスがすでに展開しているブランドカラーは、カラーパレットの中心的な軸となります。たとえば「株式会社スタイルメント」のように、ブランディングや「私たちについて」をしっかりと打ち出している場合、そのブランドカラーをメインとした配色を前提にウェブサイトを組み立てると、企業の世界観が伝わりやすくなります。もしブランドカラーがない場合でも、伝えたい雰囲気やターゲット層の趣向に合わせた色を1〜2色選定し、これを基軸とすることが重要です。
◆機能色とアクセント色の使い分け
カラーパレットには、メインカラーだけでなく機能的な役割を果たす色やアクセントとして用いる色をバランスよく配合すると効果的です。たとえば、「サービス」ページにおいて重要なボタンや強調したいテキストを、ブランドカラーとは異なるアクセント色でまとめると、ユーザーの視線が集まりやすくなります。逆に大きなエリアの背景色はサブトーンの落ち着いた色にすることで、ページ全体を見やすく保つことができます。
◆色数の絞り込みとトーンの統一
多彩な色を使いすぎると、かえってサイト全体が雑然と見えてしまう恐れがあります。一般的には3〜5色程度に絞り込み、彩度や明度のトーンをある程度揃えておくと、統一感が生まれます。特に「スタログ」や「実績紹介」など、記事やコンテンツが多岐にわたる場合は、テーマカラーを決めておくとデザインのばらつきを抑えられるでしょう。
2.タイポグラフィの役割とフォント選定のポイント
Webサイトの文章は、企業の考えや製品の特徴、あるいは採用情報などの大切な情報を伝える手段です。タイポグラフィ(文字デザイン)を適切に設定することで、読み手の理解度や興味を大きく左右できます。以下では、フォント選定や文字組みの際に意識しておきたいポイントを整理します。
◆読みやすさとブランドイメージの両立
フォントはサイトの読みやすさを大きく左右します。ユーザーがスマホやタブレットでアクセスするケースを考慮し、視認性の高いフォントを選ぶことが重要です。たとえば、やや太めのサンセリフ体(ゴシック体)を選択すれば、小さい文字でも可読性を確保しやすくなります。
一方で、「ブランディング」の一環として文字から伝わる雰囲気を意図的に演出したい場合は、フォントの持つ個性にも注目しましょう。企業の個性をアピールしたいのであれば、セリフ体や手書き風フォントなど、独特の風合いを持つ書体を採用しても面白いかもしれません。ただし、あまりにも可読性が下がる書体はユーザー体験を損なうので、使いどころを見極める必要があります。
◆階層的な文字サイズと行間の設定
タイポグラフィでは、文字サイズや行間を用途ごとに段階的に設定することが基本です。見出し、サブ見出し、本文といった階層を明確にし、ユーザーがパッと見ただけで文章の構造を理解できるようにするのが理想です。とりわけ、「セミナー」や「採用エントリー」のような告知・案内を扱うページでは、重要情報を大きめの文字で表示し、詳細は少し小さめの文字で記載すると読みやすくなります。
また、行間(ラインハイト)が詰まりすぎていると息苦しい印象になり、逆に広すぎると落ち着きがなくなることもあります。ブランドやサイト内容に合わせて、適切な行間を試行錯誤しながら整えていきましょう。
◆ウェブフォントとパフォーマンスの考慮
近年では、独自の書体を使用できるウェブフォントが普及しています。ブランドの世界観を体現したフォントを取り入れることで、他社との差別化を図ることが可能です。しかし、大きなウェブフォントファイルを読み込むと、サイトの表示速度が遅くなり、ユーザー離脱や検索エンジンの評価低下につながるリスクがあります。
そのため、読み込み速度とデザイン性のバランスを考慮し、必要最小限のウェブフォントを厳選するのが賢明です。株式会社スタイルメントが2024年11月22日に公開している「ホームページリニューアルの目的とは?必要な時期や手順、メリットを解説」にもあるように、表示速度を含むサイトのパフォーマンス改善はSEOにも大きく影響します。フォント周りの設計は、リニューアル時の重要な検討事項の一つです。
3.カラーパレット×タイポグラフィでサイト全体を統一するコツ
最後に、カラーパレットとタイポグラフィを上手に組み合わせ、サイト全体のクオリティを一段引き上げるためのポイントをご紹介します。
◆ビジュアルガイドラインを整備し、運用負荷を軽減
色やフォントが頻繁に変わると、「お知らせ」「お問い合わせ」など、ページごとにバラバラの印象を与えてしまいます。そこで大切になるのが、あらかじめビジュアルガイドラインを作成しておくことです。
- メインカラー・サブカラー・アクセントカラーのHEXコード(またはRGB値)
- 使用するフォントと文字サイズ、行間の目安
- 見出しやリストなどのスタイル設定
などを一括で整理したドキュメントを用意します。これにより、複数の担当者が更新を行ってもデザインの統一が保たれやすく、運用効率が向上します。
◆ユーザーの操作状況に応じた色・文字の変化
「スタログ」や「STLOG」などブログ形式のページを運営している場合、記事タイトルやリンクテキストがホバー時やクリック後にどのように変化するかを明確に決めておくことも重要です。ブランドカラーの濃淡を利用してアクティブな要素を区別したり、フォントのウェイトを変化させたりすることで、ユーザーが現在どの要素を操作しているのかを直感的に把握できます。
◆ホームページリニューアルや新規作成時にまとめて調整
カラーパレットとタイポグラフィの大幅な変更は、通常の運用中に行うと手間や混乱が生じやすいものです。そのため、ホームページを全面的にリニューアルするタイミングを利用してまとめて見直すと効率的です。これは、株式会社スタイルメントが紹介している「リニューアル」関連のサービスページでも強調されているとおり、大きな変更は計画的に実施し、目的やスケジュールを明確化することが成功のカギになります。
企業サイトには「採用情報」や「実績紹介」のように絶えず更新が必要なコンテンツがありますが、基本となるカラーパレットやタイポグラフィのルールをしっかり確立すれば、担当者が増えても統一感のあるデザインを維持できるでしょう。